素晴らしい、素晴らしいよ『サガフロンティア2』。久しぶりに再プレイしたら感動した。



この作品は、スクウェア作品の中では「失敗作」としての認識が強いだろう。
ある意味「シナリオしかない」珍しい作品。まともにストーリーを読むだけなら、数時間で終わるんじゃなかろうか。「場面」が無茶苦茶な勢いで抜け落ちている。主要人物であっても台詞の数は数個とかいうレベルがザラに在る。正直言って公式攻略本である「アルティマニア」を入手せずに楽しむのは無理。今ではアルティマニアの方が高値が付いている。

だが、このあまりに広い空白が、この物語に果てしない「奥行き」を与えているのかもしれない。何せ、場面が全然無いから、それ以外の部分は如何様にも「想像」できるのだ。
例えば、13世とレスリーの関係。リッチとユリアが一緒に居た理由。サルゴンがエレノアと旅をしていた理由。こういった「気を持たせる」(笑)場面は本当に何も描いてない。

それでもその「奥」が見たいと思わせる何かは、数少ない台詞が強烈な印象を与えるものであるからだろう。無駄な台詞なんてほとんど無い。

そういう意味では、この作品が確信犯だったら凄い。たぶんその可能性は無いけど(笑)。