そこで怒らせてどーする

SummerDays』(overflow)が酷いバグを出したと聞いた時、「そりゃマズいだろう」と思いました。

なぜなら、この作品は、『SchoolDays』の「最後の良心」であったはずの刹那に、わざわざあの伊藤誠との「純愛」をもたらして、その座から引きずりおろすための作品だと思っていたからです。
それなのに、「作品の中身以外」でユーザーを怒らせてどうする、と。作品の中身で怒らせないでどうする、と。この作品は、そのハイレベルなグラフィックとアニメーションでもって、「最低の内容」を描く、そういう作品ではなかったのか、と。
実際中身がどーなのかはまだ報告が少ないのではっきりしないのですが。



バグに怒るのは、気持ちはわからなくもありません。

ただ、一つ言える事は、「バグは必ず直る」のです。直らないものは「仕様」と言うのです。
そういう意味では、「いつかは"完全版"がプレイできる」のです。なら、そんなに青筋立てることでもないのかな、と思います。もちろん、それが可能なように、パッチDL用の回線確保&ナローユーザー用のDVD−R送付が行われる前提での話ですけどね。

こんなふうに思うのは、私がライアーソフトでエロゲにハマった人だからでしょうか?いや、それ以前に、私はバグをあまり憎まないんでしょう。"完全版"の出来こそが全てかな、と。

ライアー最大のバグは、『CANNONBALL』のインストーラでしょうね。
ただ、とある事情で発売日から一週間ほど遅れて入手した私が見たのは、2chでの、有志によるインストール方法の解明とその徹底周知でした。それを行ったのは、もちろん、この作品に期待し、ライアーソフト愛する人の層なんですね。
この『SummerDays』の不幸は、作品の色からして、そういう層が生まれにくいことなんでしょうね。この作品は、そんなに「愛されてない」。というより、「そういう作品」なんです。力一杯壁に叩きつけることが、ある意味正当な味わい方の作品(笑)。なので、フォローする層が薄いんです。

ちなみにライアーソフトは、バグのお詫びのつもりか、『CANNONBALL』の同封はがきを送った人全員に、通称「すじテレカ」(笑)を送ってます。今から思えば、それで十分なくらいですね。
それだけやって、しかもその後の作品でシステム入れ替えてバグを減らしても(それ以後の作品はバグが無い方が多い)、未だにバグ=ライアーというイメージは残ってるわけです。



体験版が問題ない形で出ているということは、システム自体に問題はないんでしょう。となると、未完成というよりも、何かのミスの可能性の方が高いのでは。発送の時点でミスしたことに気付かないというのも痛いミスですが。
もっとも、「発売日前」にパッチを出しただけ、ある意味良心的では?発売日に店頭購入するつもりだった人は、回避が利いたわけですし。

まあ、聞く限り、訴えられたら敗訴するレベルかな…とは思いますけどね。
誰か、消費者センターに駆け込む猛者は居ないものか。



それにしても、中身はどうなの?と。もうバグへの怒りを聞くのは飽きました(笑)。そもそもプレイしかねる状態のようでもありますが。
個人的には、何でここに至ってテキストを全表示するようになったのかが疑問。テキストを明示すれば、作品の「読み方」は全く変わってくるはずですから。

いずれにせよ、無事バグが直り、いざ本編をプレイ可能になった時、再び、プレイヤーは奈落の底に叩き落されるんじゃないかなあ…と。
史上最高級のバグは、かえって本編の衝撃を和らげてしまうような気がしないでもありません。実はけっこう、それが残念です。
まあ、個人的には、そんなお祭りを生温かく見守るつもりです。