儲宣言?

『Destino』(BLAZE・同人)のレビューを書きました。初回プレイ三時間程度のゲームのレビューを書くのに、二度の再プレイを含め数倍の時間を要しましたよ…。
今期の「最優秀助演女優賞」はビアンカでもうおそらく間違いないでしょうね。
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私が星空めておってシナリオライターを高く評価してきたことは広く知られているようですが*1、既に、この『Destino』を書いたライター・枕流さんへの評価は、めてお氏と同等のレベルに至っていると思います。
まあ、めてお氏はライターっていうよりも企画・原案を兼ねている点にこそ真価があると思うのですが*2
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枕流氏の最大の魅力は、『Destino』レビューに書いた通り、「テキストの裏に潜むモノ」なのだと思います。この人のシナリオは、表層だけをなぞるだけではその面白さを堪能できません。科白の裏で、登場人物が何を思って行動しているのかを、喋らせるのではなく、「描いている」。そこをきっちりと押さえることがポイントかと。
あと、たぶん枕流さんは、登場人物像をしっかり形作ってからシナリオを書く人です。そして、その登場人物像が、男性にとって都合のイイ女性像とは限らないのが、かえって魅力…少なくとも私好み(笑)です。昨日の日記の通り、悪女を書かせたら文句無く日本一でしょう。
そう考えると、Leaf移籍後の第一作『ToHeart2』のような「萌えゲー」は、枕流氏にとって最も方向性の異なる類の作品にも思えるんですよね。ですが、そのシナリオもきっちり書き上げて、あの作品の中では最も評価されているくらいです。しかも枕流テイストは随所に残っています。この辺は底力のある人でないと無理でしょう。
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その辺含めて、レビューとか書いてしまう私のよーな人向けなんですかね(笑)。「面白かった」の一言で済ませられるシナリオを書く人ではないかもしれません。
いずれにせよ、枕流氏にはこれからも活躍を期待するとともに、こんな「飛び道具」を手に入れたLeafの今後には注目したいと思います。

*1:下手をすると私自身の実感以上に、です。

*2:言うまでもなく、ライター一人の力で『Forest』は生まれません。作品全体のアウトラインを総括し、そこからグラフィック・ボイス・BGMを俯瞰できる監督的ポジションにいたからこそ、あの作品は生まれたのではないかと。逆に言うと、こうやって作品全体を「創れる」人って、今のエロゲ界にはあまりいないんだろうなあ…。そういう意味ではたくみん(荒川工)の発展性には期待。