「騙された」のか「読めなかった」のか

私はもう半ばネタバレ覚悟で『オルタ』の感想・レビューをいろいろ覗いているんですけど、未だに全貌がよくわかりません(笑)。ErogameScapeを見ても、妙に点が高いんですが、何があってその点数…80点なり90点なのかが全然掴めない。まあ、発売三日後の速報ではそれも止むを得ないのかもしれませんが…。
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最近、私のレビューは「解説」になっているような気がします。もちろん、私の主観の入る話ですけど。この傾向は一年くらい前から…このサイトのアクセス数の増加と共に出てきたような気がします。
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私は、けっこう「作者が何を描こうとしているか」に拘る人です。bmp_69さんが仰ることはたぶん正しいんですが(汗)、それを自覚してでも私はライターの意図について語ります。それにはbmp_69さんの言う「自らの心理の内奥に対して一歩踏み込むということ」という意味もあるんでしょう。それに加えて、ちょっと傲慢な言い方をすれば、私は「作者の意図は最大限に尊重したい」のです*1
いちおう、他人に読まれるレビュアーの端くれとして、他の人があまり評価…というか着眼していないポイントに自分で気付いた(と思った)時は、それを提示してあげたいと思うんです。それをするためには、「この場面がこうなのはこう繋がってこういう意味を持たせている」という点を書き連ねていかなければなりません。私のレビューに引用が多いのはそのためです。
もっとも、これには、藪蛇になる可能性もあります。私がそうやって提示した見方が作者の意図を外していたら逆効果です。その危険性は常に孕んでいます。
この見方の最も難しい点は、相当数をこなさないと「間違える」点です。昨日の枕流氏の『Destino』についての"解説"はかなりの割合で合致していると思っていますが、枕流氏初体験作『ねがぽじ』レビューがリライト前後で大きく変わっているように、経験の浅い段階で全部判った気になるのは早計と言わざるを得ません。
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そして、私自身、もう一つの、全く逆の見方をすることがあります。それは、「作品の結果から自分が得たモノだけを信じる」という見方です。
具体例を出すと、『こなかな』の健速IRC騒動ですね。私は…まったくということではありませんでしたが、アレが事実であってもそうでなかったとしても、『こなかな』という作品から私が得たモノは揺るがないのではないか、そう思いました。(まあ、あの内容自体、そんなに的外れなことを言ってるとも思いませんでしたし、言動が糾弾されるほど無茶苦茶だとも思いませんでした。まあ、半年後にアレが出たら一気に収まったし…。)そういう意味では「ケースバイケース」です(笑)。
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でも、後者の見方は、プレイヤーにとってはともかく、作者にとってはどうなんでしょう?もちろん、「プレイヤーを特定の感情へ追い込む」という意図があれば別ですが、そうでなければ、困ってしまうと思うんです。
作者が意図していない見方をしてその作品を褒めても、或いは作者が意図していない見方をしてその作品を貶しても、どちらにしてもそれは作家にとっては不幸なことではないでしょうか。そして、どちらかと言えば前者…「意図してない方向性で褒められる」方が対処が難しいのではないでしょうか?後者は、何らかのメッセージを出してフォローすることができますが、前者の場合は、フォローがかえって喜んでいる人に水を差す結果になりかねないからです。
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とりあえず、『オルタ』に関しては、『螺旋回廊』をプレイしている人の感想が読みたいのです。間違いは『マブラヴ』本編にではなく、『君が望む永遠*2にあったんじゃないかと、思わなくもないのです。その辺が、なぜageが水月や遙・茜を登場させたのかの答え…の可能性もあるかも?(随分と自信の無い言い振り。なにせ未プレイだから。)
ま、私的には、もう『オルタ』をプレイすることは無いと思います。今からやっても、論評のためのプレイにしかなりそうにありませんので。
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それにしても…批難轟々な作品をフォローしたがるのは私の悪い癖ですね。

*1:逆に、最近の作品批判は作者批判でもあります。『車輪』が典型ですかね。

*2:昨日、再プレイしてみたんです。