妹論

2ch工作板の『腐り姫』スレで「腐り姫読本」の再販投票(?)依頼運動がされているようだが、思ったように票は伸びていないようだ。
まあ、私も入れてない。私自身が二冊持っているということもあるんだけど、当初の発売予定日から実際に発売されるまでの半年間のアレ*1を思い出すと、さすがに簡単に再販を支持できない。
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でも思うんだが、むしろ『腐り姫』を「リメイク」「するなら」、今しかないと思う。
同時に、それがトンデモなく難しい所業だと思うのだけれど。
以下、この作品が「描きたかったモノ」が「簸川樹里」だと信じて疑わない人の意見。
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この作品は素晴らしく良く出来ている。だが、ムービーがちゃんと起動しなかったり、複数のドライブを持つ人には上手く動作しないCD-DAなど、プレイ以前の段階の細かいアラがある。
この作品は、ちゃんとした形で後世に残す価値のある作品だと思うのだ。
とはいえ、ライアーソフトというブランドは、リメイクにはこだわりのあるブランドで*2、単純に再販するとは思えないしそんなコトして欲しくないのだが、この作品に「加筆」するなら、今のタイミングしか無いのではなかろうか?
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私は、この作品が構成面で既に完璧であり、足りないところは何も無いと思っている。
だが、あの当時と今では、一つ状況が違う。そう、ソフ倫が、実姉妹とのエロを認めるようになった。つまり、今なら、『真・腐り姫』を描くことが可能になったと思うのだ。
今作において、簸川樹里の姿は意図的にはっきりと描かれていない。なにせ彼女には立ち画すら無い。オフィシャルサイトの登場人物紹介にすら登場しない。それは、彼女が五樹を「愛すること」は、「許されない」ことだからだ。言わば、その、「ソフ倫規制」=「描けないということ」を最大限に使った作品こそが、今作だと思う。
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逆に言えば、「今」、簸川樹里を「描かない」ことは、発売当時とは意味が変わっていると思う。
発売当時は、「描けと言われても描けなかった」。今は、「描ける」のだ。そこで「描かない」ということは、作品の受け取られ方として非常に危険。
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リメイクを作るのなら、本当に全部描いて欲しいと思う。その方がいいだろう。もちろんそうなると、蔵女の使い方とかも変わらざるを得ないので難しいし、本当に作り変えるくらいの勢いになるような気もするが…。
そして、もしそれが出来ないなら、リメイクする必要は無いと思う。オリジナルそのままで再販するというスタイルを取るには、ちょっと時期を失った感がある。繰り返すけど、今の時代にそれは危険。
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私は、妹モノについては、もう一人の妹(義理)である潤を含め、この『腐り姫』で全てが語られてしまっていると思う。
あとはぱじゃまそふと作品(オススメは『パペットプリンセス』)をプレイしておけば、もう完璧。これ以上「妹」について語ることは無い。
Leafが早速そこに行き着いたように、「妹」という地位の持つ意味なんて、「やる」か「やらないか」、そのどっちかにはっきりと理由を付けさせるため、それだけだと思います。
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それにしても、どうしてソフ倫は実姉妹エロを解禁したんだろう?未だに社会的モラルがそれを許したという風潮は存在しないのに…。
そんな社会的な面もさておき、「規制されない」ということが、かえって魅力を失わせるというコトも…あると思うんですよ。

*1:腐り姫読本」は当初2003年9月頃の発売予定だったのだが、実際に発売されたのは2004年2月。申込が郵便振込であったこの間、オフィシャルからの個別の遅延告知は一切無く、さらに当初は「電撃姫」購入読者限定だったモノがとらのあなでの一般販売を開始するなど、少々のコトでは動じなくなっていたはずの(笑)ライアーファンを大爆発させた代物だ。ただしこの怨嗟の声は、実際にモノが届くと一気に収まった。

*2:過去に二つ(『行殺新選組』と『サフィズムの舷窓』)リメイクしているが、そのどちらも、「作品数」にカウントしていない。単なる新OSへの移植だけでなく、かなり大幅に加筆し、「エンド」をしっかりもたらしているにも関わらず、である。彼らは単なる再販はしないとも公言している。