私は幾つ「推進委員会」を作ればいいんだろうか(笑)

このサイトは、『Forest』『ぶるまー2000』(Liar-soft)そして『家飛 カットビ!』(TerraLunar)の三作は、日本で最も褒めていると思います。そういう作品が三作もあるということは、レビュアーとしては「誇り」だと思ってるんですけど(笑)。
 :
今なら、もう書いてもいいでしょうか?
私が『鎖−クサリ−』(Leaf)を高く評価できた理由は、その前に『家飛 カットビ!』という作品をプレイしていたからだと思います。
 :
『家飛 カットビ!』レビュー
http://www.geocities.jp/judge13th/o18/kattobi.html
 :
「5人のヒロインを平等に描く必要は無い」ってことを教えてくれたのが『家飛 カットビ!』でした。共通パートから既に「一人のヒロインのために」存在していて、他は全部おまけ。むしろ、他の4人がおまけであることが「唯一」のヒロインを惹き立てている構成の妙。それを「トップのヒロイン」でやればあからさまなんですけど、パッと見では裏に隠れている「二番目」タイプのヒロインがやるからこそ、真相が見えた時の反動が大きいわけで。
 :
まあ、ご存知の通り、『家飛』という作品を高く評価しているレビューサイトを私は他に知りませんし(涙)、「おとねちんのためのラブストーリー」だなんて見方をしている人は私しかいません(号泣)。
鎖−クサリ−』が出た今なら、もっと『家飛』は認められるでしょうか?まあ、『鎖』自体の世間的評価も今一つではあるのですが、今なら、ちょっとはマシになっているかもしれません。
 :
 : 
 :
『家飛』は「いきなり"転"から始まる」と書いてあったレビューサイトがありました。これは言い得て妙です。そうなんです。それゆえに、私は、「主人公」でも「ヒロイン=おとね」でもない、第三者の視点から物語に入りました。主人公でもヒロインでもありません。そこでこの作品は、あの最初のセリフから入るんです。

おとね
「晃二郎、あの…あのね?私…あなたのことが…好きなの」
晃二郎
「…ごめんなさい」
 :
オレ人生初の『女の子からの告白イベント』は、一瞬で終わった。
目の前に立ち尽くしている彼女は、キョトンとした目と半開きの口のままで、
まだ事態を把握できていないようだった。
 :
おとね
「…あっ、ちょっと私どうかしちゃったのかしら?今、あなたが何て言ったのかよく聞き取れ…」
晃二郎
「ホントどうしちゃったんだ?お前。まじで。
さーてと、昨日の大爆笑のビデオでも見るか。昨日野球の裏だったから録っといたんだよね。お前も見る?好きだろ?バカ兄弟のコント」

この、見事なすれ違いっぷり(笑)を「理解」できるのは、それまでの経緯を知らない「第三者」だからこそだと思うのですよ。それを考えると、前段をぶった斬ったのはかえって◎。
 :
あと、他の方が口を揃えて言うのは「なんで家が飛んだのか説明が無い」というコト。
…この作品には、ただ一人、「家が飛んだこと」なんて「二の次」の人物が居るはずです。彼女にとっては、勇気を振り絞った人生最大のイベントの直後なんです。家が飛んだ程度のコトに構っている場合ではないんですよ(笑)。
そう考えると、「家が飛んだ」決着なんぞは、彼女のシナリオにとってはホントに「どーでもいいこと」。むしろ、「家が飛んだことよりも彼女にとって大切だったモノ」が何かを考えると、微笑ましいとは…思いませんか?
 :
 :
 :
以上、ネタバレを全く恐れずに布教してみました(笑)。
埋もれるには本当に惜しい作品なんですけどねえ…。