1/15の日記の補足 「エロが無いこと」とは

ErogameScapeの『CLANNAD』0点騒動は収まる気配を見せない。
実はそんなに他人事じゃない。0点を付けている人は何人かいるが、0点の上の点数は2点である。私はこの騒動に口を出したくて仕方ないのだが、私が書くと絶対に火に油を注ぐので(汗)、ここでひっそりと。
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今や、エロゲにはフォーマットがある。
CLANNAD』は、多数のヒロインを持ち、数多くの分岐したシナリオを持つ。主人公は一人だが、多数のヒロインと結ばれるエンドを持つ。(立ち画のある女性キャラ全員にエンドがあるという噂を聞いたが、ホントか?)
言わば、これほど「エロゲらしいフォーマット」を持つ作品はそれほど多くないだろう(たぶん)。
だから私は、各種のエロゲ人気投票にこの『CLANNAD』を除外する意味は無いと思う。だって、言ってみれば「エロが無いだけ」で、他は全部一緒なんだから(たぶん)。
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私は、「ヒロインに必ずエロシーンを用意しなければならない」というのはエロゲにおける「カルマ」みたいなモノだと考えており(笑)、いくつかのエロゲはそれで失敗しているとさえ思う。
それを考えれば、今のエロゲフォーマットからあえてエロを抜いてしまうというのは、冒険であり同時に進化でもあると思う。そのフォーマットに縛られず、「描きたい場面を描く」これが可能となるのだから。
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私から見れば、何よりも「エロゲのフォーマット」を踏襲したように見える『CLANNAD』がエロを描かなかったのは、非常に興味深い。
私は恋愛ゲーがあまり好みでないのだが、その中で最も面白いのは、エロシーンに至る直前だと思う。そこは「恋愛描写」の最高潮だと思う。そこからは「二人の世界」へ入らざるを得ない以上、学園のような「日常」と切り離されてしまうから。『CLANNAD』は、その「おいしい部分」で物語を締め括ろうとしたようにも見えた。
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でも同時に、「エロゲのフォーマット」を何より踏襲した作品に「エロが無い」というのは、言語道断の所業だとも言える(笑)。それが、何人かのコメントに垣間見えた不満ではないか?言ってみれば、これらは裏表なのかもしれない。(もちろん、そこまでKeyが考えて作っているのだとすればの話。)
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CLANNAD』に対する私の「2点」という評価の中で、「エロゲでないこと」に対しては、何の減点も与えていない。ま、同時に加点も無いのだが。
私はそれを見極めようと思っていたのだ。しかし、繰り返すが、その遥か前の段階で止まってしまったのである…。これまた繰り返すが…誤算であった。