何となく書いてみたら…長っ!

ついでだから、私の中のコンシューマ最高傑作について。それは『ファイナルファンタジータクティクス』(アドバンスでない方)。
とにかく何もかもが素晴らしかった。
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まずSRPGとしての完成度。「ターン」という安易な概念を乗り越えた「Speed」システムの採用がグッドアイデア。如何に先手を取り、反撃を防ぎ、相手を地理的に追い詰めるか。一対一で敵ユニットを撃破しても、続くユニットに倒されるようなケースが多く、それはまさに「集団対集団」感覚の、より臨場感のある戦闘が繰り広げられる。もっとも、お助けアビリティといえる「白刃取り」の存在など、プレイに無理が生じないようにはなっている。「魔法」の「詠唱」ともマッチ。また魔法に関しては、発動すれば敵も味方も関係なくダメージを受けるという斬新さが、その戦略性を高める。エフェクトも極めて高いレベル。
基本的に「こちらのレベルが上がれば敵のレベルも上がる」。こちらのレベルが99でも、装備如何ではフィナス河で赤チョコボの群れに全滅させられたりする(涙)など、たった一つの行動の誤りがその戦闘の全てを左右してゆく時が往々にしてあり、一時も気を抜けない。
あらゆる項目にセレクトボタンで「ヘルプ」を見ることが出来る。その量は膨大。特に、非常に数多い登場人物や事象を紹介する「ブレイブストーリー」は物語の補足に加え、このイヴァリースという世界の雰囲気構築に大きく貢献している。
タイトルロウルの3種類のムービーの出来は破格。BGMも全編において素ッ晴らしい出来。
やり込み要素も満載。世界に4つ存在する「本」によるミニゲームはいずれも独特の雰囲気を持つ優れた物語。「密猟」コマンドにおけるレアアイテムの取得も奥が深く、「ディープダンジョン」には様々な点で居座ることになるだろう。
唯一の欠点は、「ハマる」ポイントが多いことか。リオファネス城でのウィーグラフとのタイマンに泣かされた人は相当いるだろうし、選択肢一つで味方キャラが仲間にならなかったりするので要注意。
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だが、私が本当にこのゲームを評価する最大の要因は、他でもない登場人物の魅力とストーリー。
ラムザという主人公の愛らしさ(笑)。この少年、見ていて本当に気分が良くなるくらいの素晴らしい好青年です。酒場でミルクを頼んでしまうところに惹かれた人も多いのでは(笑)?
メインヒロインの地位は、アルマと言ってよいでしょう。…この妹(実妹)、今までの妹キャラの中でも 最 萌 です(爆)。
とにかく、如何なる登場人物にも背景があり、思いがあり、ある時はそれに殉じ、ある時はそれに溺れてゆきます。この物語を通して、大多数の登場人物は「死にます」。
この作品、モンスターはもちろん登場しますが、実は彼らは「世界を滅ぼす」だとかそれほどスケールの大きな行動を取ってきません。それはあくまでも「歴史」の「闇」で密かに行われていたことに過ぎません。この作品の壮絶なバックボーンたる「人間模様」の前には、その姿が霞んでしまうくらいです。何せ作品の序盤から、身分社会の中で虐げられる者の悲哀と劣等感を、戦乱の世の中で生きる者の野望と策略を叩きつけてきます。そして、次から次へと、「誰かが誰かを裏切り続けます」。
その中で、「勝者」となった青年・ディリータ。彼が手にしたかったモノは何かのか?ゼルデニア教会跡で、オヴェリアに胸の内を吐露するあのシーンは、もの凄く美しいシーンです。しかし、彼は果たしてそれを手に入れることが出来たのか?あらゆる伏線が収束するこのゲームのエンディングには、「驚嘆」この一言です。
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このゲームのシナリオは、シナリオゲーに特化して進化しているエロゲと比較しても、最高級の出来だと思っています。
正直言って、コンシューマはこの頃が最高到達点でしょうね。
このゲームはドット絵です。むしろこの後のコンシューマゲームは、ポリゴン処理&ムービー化へと進んでゆきます。…私にはそれが、「かえってリアルとの違和感を強調した」ようにしか思えなくなったのです。
そしてもう一つが、「恋愛化」の明らかな進行です。何せ本家FFですら大真面目に恋愛エンドに走るのですから。このゲームは、変な言い方をすれば「実妹萌え」であり(笑)絶対に恋愛にはならないんです。それがかえってイイと思います。(ラムザとアルマはかな〜りのシスコン&ブラコンなんですけどねw)
そう、こうなってしまえば、PCのエロゲーに特化してしまった方がよっぽど「素直」なんです。CG処理もムービーも18禁としての表現形態もです。私の精神年齢の上昇にマッチしたとも言えますけどね。
『大評論の世界』で書いたシナリオ総括です。ネタバレ満載なので気を付けてください。http://www.geocities.jp/judge13th/fft.html