エロゲと音楽

ErogameScapeに私が点数を付けた作品の傾向の中でトップは「BGMに惚れ惚れ」だったりする。そんなわけで、エロゲーにおける「名曲」について。
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今日、『らくえん〜あいかわらずのぼく。の場合〜』(TerraLunar)のサントラが届く。実はこの作品の場合、作中の曲はねこまんまで抜けるので、さほど買う必要はなかったんだけど。
この『らくえん』という作品のBGMはとっても好き。すごく典型的な「エロゲ的名曲」だと思う。エロゲ曲に最も求められるモノ、それは、何よりも「作品・作風とのマッチング」コレなのだ。エロゲの「場面」が具体的に与えられることで、抽象的たる音楽表現がより具現化されるのだと思う。
つまり、単体で何の前置きもなく今作『らくえん』の音楽に触れれば、ここまで印象は強くないと思う。言わば、音楽というモノには根源的にそれほどの表現力が無いのだ。「音楽を聴いて泣く」ほどのインパクトある曲に出会ったことはないし、それは大多数の人間がそうであろう。
逆に言えば、エロゲ曲には「それ自体の具体性」というモノが必要ない。『こなたよりかなたまで』(FC01)の主題歌「Imaginary affair」は確かに名曲だが、歌詞を聴くと、実は本編とは馴染まない部分が多々ある。(このタイトル自体に意図があるのかは不明…。)でも、少なくとも、私はこの曲がかかると泣きそうになる。実はこの曲は本編内に全く登場しないから、「作中の具体的な場面を思い出している」…のともちょっと違う。言ってしまえばそれは「作品の"雰囲気"の継承」であり、もっと言ってしまえば「作品に対する条件反射」(笑)なのだ。
「名作に名曲は欠かせない」というのは真理のようで、たぶん真理ではない。「名作は全て名曲」なのだ。それは名曲だから名作となった…というよりも、名作の曲だから名曲なのだ、私はそう思う。
…ただし、作品発表前にBGM(そのうち3曲だけ)が発表されて「素晴らしい」と思い、作品をプレイして本当に素晴らしいと再認識した作品が一つだけある。それが『Forest』(Liarsoft)。
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それにしても、この『らくえん』サントラで新たに追加された一曲「star boy,ether girl(スターボーイ・エーテルガール)ボーカルエディット」。もちろん(?)ボーカルは杏と亜希である。…これはわざとこんなに下手に歌ってるんだよなあ(苦笑)。らしいといえばらしいけどね。