実はこの日記は下書きのためにある

年末が近付き、今年度にプレイするであろうエロゲもほぼ決まってきたところで、もうそろそろ2004年下期(7月以降)の「エロゲーは誰れのためにアワード」の選考を始めようかと思ってます。
上期(1〜6月)は、『Forest』を初めとして、あまりに名作揃いであり、随分と早くから作成を開始しました。かつ、それが次々と上書きされてゆくという凄い時期でした。今回はそれほどの力強さは…望めなそう。最優秀作品は断トツにアレになりそうですし。もっとも、下期の弱さは、上期で中古作も含め目ぼしいモノにいいだけ手を伸ばしたせいだとも言えます。
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ここで、まだもうちょっとありますが、2004年下期を振り返ってみましょうか。まず最初に訪れたのは、「私の恋愛ゲーに対するアレルギー反応の再確認」でした。
ホワイトブレス』シナリオ的にどこからどうみても地雷としか思えない出来でした(涙)。だけど、この作品がグラフィックだけでそれなりの評価を得てしまうところが、ちょっと衝撃だったとも言えます。自分の、エロゲ評価に対するグラフィックの割合の低さを痛感させられた1作でしたね。
続いて『Dear my Friend』。客観的に見て悪い出来ではないということを「頭で理解」しつつも、感性がついてこなかった作品。
最後の締めが、『はるのあしおと』。これは、トンデモなくよく出来た作品なんですよ。だけどminoriは、最後の最後で「従来のminoriらしさ」を否定しなかったんです。智夏シナリオに代表されるそれは、いざそれがこの私にとってどうなんだと考えた時に、さほど必要性を感じなかったんですね。「こんなに緻密に創り上げても名作にはならんのか」という、自分の懐の深さに自分で驚いた一作でした。
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この後、恋愛ゲーの限界を痛感した私は、怒涛の抜きゲー三昧に至ります(笑)。私はいわゆる「普通」のタイプの抜きゲーは「全く使用しない」タイプなので、完全なる反動と言えます(笑)。
一時期、本 気 で 枯 れ そ う で し た 。
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その後、東京へ行く用事の前に、上期最高傑作『Forest』を再プレイ。
ライアーソフトの名作クラスって、『腐り姫』の時もそうだったけれど、一度や二度のプレイでは全然「理解できない」んです。特に『Forest』はライアーの中でも超ド級の作品で、4回目となったプレイを冷静に進めると、すっごく色々なモノが見えてきたワケです。
それはもちろん、元ネタが有志により次第に解明されてきた(ライアー自身は決してそんなことをしない)ことや、それこそ私がエロゲの数をこなす上で、表現や作品性についての経験が増したことが根底にあります。今から思えば、上期最優秀作品賞を与えた時って、発売から4ヶ月経ってましたけど、実はまだまだこの作品をわかってなかったんですね。なんて奥の深さ。ここが底だと思って手を着いたら、まだまだズブズブと沈んでいったかのような感触です。
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となると、自然と反動は訪れます。全エロゲーの中で最も先端(先頭かどうかはわからない)を走る『Forest』に、そう簡単に肩を並べることの出来る作品はありませんから。
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そんな中、先日、やっと「名作」と呼べる作品が登場。そう、『らくえん〜あいかわらずのぼく。の場合〜』ですね。
それでもまだ、『Forest』の影を引きずっていると言えなくもありません。『Forest』の深さに対抗するためには、それこそ「エロゲ」という、製作者が「最も詳しく、最も現実感のある場所」が必要だったということですから。
もちろん、これがただの元ネタ系(?)自虐的ギャグ作品なら、ここまで評価は高まりません。細かい心情描写・演出は確かな技量に支えられたもの。もちろん、「裏付け」がそれをサポートしています。
題材の分、「アキバvs新宿」の分、『Forest』は超えられない壁ではありますが。
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まあ、年末には、まとめたいと思います。
…はっきり言って、「表」のアワードよりも、「裏」の方が楽しみな今期なのです(笑)。
→ 上期のアワード http://www.geocities.jp/judge13th/o18/award.html