注:ラベリングに大した価値はありません

ライアーソフト第17作は『蒼天のセレナリア』
私、ライアーソフトを知ってしばらく経ちますが、こんなに度肝を抜かれた新作発表はなかったかもしれません。だって、これ、ライアーなの?
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同時に、ファンとして注目すべきは、『腐り姫』『行殺♥新選組ふれっしゅ』『Forest』『サフィズムの舷窓〜an epic〜』が一括してロットアップすることでしょう。
これで現ライアーは、過去の遺物を切り離すことになるのです。
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以下、ライアー信者(だと思われているらしい)私の主観的見解。
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ライアーソフトの作品は、大別して三世代に分けられるのではないでしょうか。
「第一世代」は、『ちょーイタ』でデビュー後の、『行殺♥新選組』『サフィズムの舷窓』等の初期作品。中心としては、初代社長・高尾登山や岩清水新一・睦月たららになるんでしょうか。この「第一世代」の特徴は、「笑え、そして泣ける」作品。そしてもう一つ、「途方も無いバグ」(爆)*1。良くも悪くも荒っぽさを残しながら、非常に懐の深い作品が多いです。
これに、「第二世代」が横から突っ込んでくる。始まりは『腐り姫』。この世代の別名は「星空めてお世代」です*2。これまで何らかの「ゲーム的要素」があったライアー作品が、純ノベル化していく。そして同時に、シリアス傾向が強くなる。『CANNONBALL』はライアースタッフ総動員の作品なのでちょっと例外だと思いますが、『Forest』で頂点を迎え、『SEVEN-BRIDGE』で終焉します。*3
それと入れ替わるように盛り上がりを見せるのが、「第三世代」。あえて言うなら、「やんばる世代」です。天野祐一+桜井光のラインでしょうか。それまでどうもくすぶりがちだった天野ラインが『AngelBullet』でついにハジけ、代わって主流派にのし上がります。現世代です。特徴としては、「ゲーム性」への回帰。シリアスに、そして衒学的になりがちだった第二世代と対象的に、むしろ軽さ・明るさを前面的に押し出してきます。
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ライアーソフトも長いブランドですので、そのファンの間にもどーも世代差があるようです。ちなみに私は、ご存知の通り、基本的に第二世代の人間です*4
ここからは更に私の主観になりますが、「第二世代」と「第三世代」の人の「第一世代」感がちょっと違うような気がします。「第二世代」は「第一世代」作品にシリアスを見ますし、「第三世代」は「第一世代」にコミカルを見る。それは「第一世代」がその両方を併せ持つからだと思うんですが、逆に言うと、「第二世代」と「第三世代」はどーも分化してしまったのかもしれません。
そういう意味では、今なお残る数少ない「第一世代」、睦月たらら氏には奮闘していただきたいところですが。
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さて、この大雑把な分類論から、先のロットアップ作品を眺めてみます。
そう…これで、ライアーソフトの現役(?)ラインから、第一世代と第二世代の主流派が姿を消すワケです。初期の傑作『行殺♥新選組』『サフィズムの舷窓』の両リメイクが。第二世代の二大怪作『腐り姫』『Forest』が。
第一世代後半〜第二世代の人間としては、ちょっと寂しくなりました。
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そして、新作『蒼天のセレナリア』を改めて振り返ってみます。
なにせライアーですんで、これから何をやらかすか(笑)はまだわかんないんですが、どーも…これはこの通りの作品を作るんじゃないかという気がします*5
これを見て、「変わったなあ」と、ただそう思いました。繰り返しますが私は第二世代なんですが、残念とかそんなんじゃ決してなくて。

*1:これはご存知の通り「第二世代」半ばまで続くのですが

*2:もちろんそれは『ぶるまー2000』から始まっていたのかもしれませんが、まだ「第一世代」と分離されていなかったと思います。

*3:ちなみに茗荷屋甚六氏は、この後の動向がまだ読めないのでとりあえず割愛しました。この人、一回めてお作品から離れて書いてくれないと、真価が見えない…。

*4:しかもその代表格に思われているようですが。

*5:ライターは桜井光かな?