イイものはやっぱりイイのだ

とりあえず、新作に手が伸びないのは如何ともしがたいのですが、その割に数作積んでます。最近は、ホントの新作かXP以前の旧作のどちらかって傾向が強いんですけれど。
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いくつか、リプレイしたい作品があるのです。
今日は仕事があっさり終わったので、アワードの執筆に向けた意味も含め、今のところの上期最高傑作『家飛 カットビ!』(TerraLunar)のおとねエンド再プレイ。
以下、ネタバレを含みます。
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相変わらず 素 ッ 晴 ら し い で す ね 、この作品。大好き
システム的に今時キーボード未対応なのはどうかとか、おとねちんのエンド以外を全て切り捨てているところとか、人を選ぶ要素は満載だけど、やっぱりイイ!

おとね「晃二郎、あの…あのね?私…あなたのことが…好きなの」

冒頭の第一声、コレですね。
コレがこの作品の「全て」なんです。ですが、おとね以外の誰もコレを「信じてない」んです。このギャップが面白い。主人公・晃二郎はまったくもって本気にしてません。
おとねの言動は、彼女が本気の本気であることを踏まえて見ると「恋する乙女」そのもの。彼女の行動は全部が彼女の想いに基づきます。彼女は何度も「私は晃二郎に嘘なんてついたことはない」と言いますし、それは完全に正しいんです。
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この作品の世間の評価を見てると、この主人公の冒頭と同じ見方をしてると思える感想(おとねの言動のトンデモさを指摘する声)も見受けられます。それくらい、この作品の「おとねの言動の信憑性への疑問の提示の仕方」は上手いとも言えます(笑)。
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晃二郎がおとねの告白に返事をするところまでが第一幕。その晩からが第二幕です。
ここからは、「プレイヤーの方が見事に騙される」シナリオです。特に私は、それまでで「おとねの本心」が見えかけていましたので、だからこそ余計に騙されました。言ってみれば、第一幕で気付き始めたおとねの本心にあえて疑問を生じさせるのがこの第二幕であり、ここで主人公の視点とプレイヤーの視点は見事にリンクします。そしてこれこそが、葵妃さんの意図であるワケです。
この辺の構成力はお見事。第一幕でも物語は完結しうるのですが、もちろんそれでは短すぎる(笑)のに加え、「本当のハッピーエンド」を用意した点を高く評価したいです。
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最後のHシーンの「間 違 っ ち ゃ っ た」はこれまた伝説的な迷シーンです(笑)。
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もうちょっとレビューを書き直そうかと思いました。
たぶんこのサイトのレビューよりもErogameScapeに書いていた感想の方が端的でキレイにまとまってますが、さらにもうちょっと上手く「書きたい」と思った作品です。偏りの凄い作品であることを踏まえても、もうちょっと私内での総合評価を上げて良いかも。
とてもじゃないですが、1000円で投売りされる作品じゃないです。
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音楽がこれまた最高!ヘッドホンかけて聴くとなおさらイイです。いろいろやったんですがどうやっても抜き出せなかった(汗)のは惜しまれてなりません。
いやあ…サントラは絶対に出ないしなあ…。