書かないワケにはいかないか

まあ、例の、少女監禁事件について。
エロゲーマーの声」を示せるのはこうしたBlogくらいしか方法が無い。そういう意味もあって、書かないワケにはいかないだろう。
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私は1/22の日記でこんなことを書いていたのだが、まあ、私の言い分はコレに集約される。あとは、その後にプレイした『螺旋回廊2』のレビューを参照のこと。
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私は、この事件の詳細を読んで、ちょっとほっとした。なぜなら、この容疑者は「普通のエロゲーマーではない」からだ。
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エロゲをやっている人ならまず思っただろう。「18禁ゲームCD-ROM等1000点押収」という点からして、何かおかしい。そう、CD1000枚ともなれば、作品数にして数百点にはなる。
この私はエロゲを始めて3年になるが、所持数=購入数は117作。570,647円もかかっている。まあ、私は社会人になってからエロゲを始めた晩成エロゲーマーなので、支払の方はむしろなんとかなっていて、反面、時間の方が不足気味なのが現状だ。
そう、とてもじゃないが、数百なんて、24歳無職の奴にこなせる数字じゃない。
(注:とりあえずP2Pはここでは考えないこととする)
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要は、この容疑者は金持ちのボンボンで、毎月親から充分な仕送りを受けてそれで生活していたらしい。もちろん仕事はしていない。こんなエロゲーマーは、ザラに居るものじゃない。
実際には、エロゲをやるには、別にサラリーマンではなくても、働いて金を稼ぐ必要があるのだ。エロゲは決して安い買い物ではないのだから。つまり、一般のエロゲーマーは、そのために必然的に「社会」との接点を持たざるを得ない。その過程で、非オタの人間の中に入っていかなければならない。

エロゲヲタの恥晒しめが。エロゲヲタは自分達がマイノリティーである事を自覚して、
そうでない人達に不快感を与えないよう配慮してあげる、成熟した精神が必要なのだ。

これは2chの某スレからの転載だが、これ、エロゲヲタの「常識」。
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そう考えると、この容疑者自体が、世間との関わり合いの無い特殊ケースだったのではなかろうか。
今や、エロゲ人口は数十万には上ると思われる。そのうち、1/1000なり1/10000が事件を起こすのは確率論的に「当たり前」だとも言える。もしこの容疑者が、本当に普段は普通の会社勤めや大学生をしている人間だったら、「本当に1/1000なり1/10000なのか?」「こういう事件は実はもっと潜在的に在るのではないか?」と疑問を抱くことになったのだろうが、コイツみたいな恵まれた(?)環境下にいるエロゲーマー自体、日本に何人も居ないだろう。となると、本当に本当のレアケースだったのではなかろうか?
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この事件、どう考えても、最も責任を負うべきなのは、無責任に仕送りを続けた親だと思う。
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しかしまあ、こういう事件が起きると、必然的に「規制」の方向に向かうことになるだろう。少なくともその検討をすることは「社会的に健全」である。私はエロゲーマーである前に社会人だし、エロゲーのために社会性を蔑ろにするべきだとは思わない。
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だが、それ自体、もう困難なレベルに在ると思う。
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新作エロゲが年間500本。平均3000本・実売6000円として、500×3000×6000=900億円。
こんな単純計算になるかは不明だが、これにグッズや中古市場も含めれば、もっと大きくなるような気もする。そこで働くクリエイターの数・企業の数・投資元の数を考えれば、何をどう考えても最早完全排除はできっこない。
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では、内容を規制するか?
そのためには、明確な根拠と基準が必要になるだろう。となるとこれには、広範な議論が必要になる。有識者から意見を募り、判断の過程を公けにしなければならない。そう、下手をすると、エロゲの存在そのものを日の当たる箇所に出してしまうおそれがあるのだ。
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世間一般人のエロゲに対するイメージはマイナス要素が強いと思うが、内容については「知らない」というのが実情だろう。どんなモノかわかって嫌悪している人って、意外と少ないと思うのだ。
エロゲについての議論が深まれば深まるほど、エロゲってモノが「在ること」を知るヒトは多くなる。エロゲの存在を知ったヒトのうちの一定割合は実際にエロゲに手を伸ばすことになるだろうから、かえってエロゲーマーの裾野は広がるかもしれないのだ。
エロゲーマーの数が十倍になれば、エロゲに端を発する犯罪が十倍になるのは当たり前。
前にも書いたが、こういう報道の仕方が最も中途半端なのだ。マスコミは結果的に、エロゲという存在を世間に流布したに過ぎない。『絶望』や『もみじ』は、これまで、一度も一般メディアで取り扱われたことはなかったのだから。
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私が、一般人のエロゲに対する偏見を無くそうと思ったら、ただ、ErogameScapeを見せる。あそこは、管理人氏が最低限のフォーマットを作っているだけで、あとは全てユーザーによる運営。その中で、全てのエロゲが対象となり、作品を評価し、批判する。そこには何の法律も規制も無いが、「秩序」は保たれている。そして、あれだけのユーザーが「作品を語る」ということは、「語るだけのモノを考える」という点で人格形成にも役立っているはずだ。
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そう考えると、「エロゲレビューサイト」の隆盛は、エロゲーの最後の砦となるのかもしれない。これだけ、作品の内容を「自分の言葉で語る」ジャンルは他にはそう無いと思うからだ。