久しぶりに再プレイしてみよう①『リアライズ』

…などと題しまして、新作に食指が伸びない昨今、昔プレイした作品をもう一度見直してみようかと思います。第一弾は『リアライズ』(PLYME)。
なお、プレイ後に評価がB→A+へ二階級昇進となりました。
以下、ネタバレを含みますので未プレイの方は要注意のこと。
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トップにも書きましたが、この作品は全てが例え話である、これが最大のポイントですね。
私も昨年の1stプレイ後にレビューを書いている時に初めて「ライターが書きたかったのはバトルそのものじゃなくて、若者の群像劇を大人の視点から客観的に描いているのかな?」と気付いたのですが、改めて今の段階でプレイすると、エゴ(プロクシ)という存在も、そのバトルの内容も、そこへ群がる若者たちの姿も、全てが「象徴的」のような気がします。言ってみれば、この作品は人が成長する過程で遭遇する個々人の価値観の相違と対立という問題を純粋にメタファー化した、ただそれだけなのです。
プロクシバトルにはいくつかの矛盾点もありますし、エンディングに爽快感の無いことにユーザーから不満の声があるのは事実。ですがやはり、この作品に内容の辻褄合わせとハッピーエンドを求めること自体が「筋違い」のような気がするのです。
そう考えると、この作品はエロゲーとして出たこと自体が一種の不幸。実際、この作品をエロゲーと思って見ると、足りないモノが多すぎるんです。ですが、この作品が何を言いたかったのかを意識すると、すごく良く出来た傑作です。それはまさにウルトラセブン第四十四話「円盤が来た」の如し。昨年の1stプレイ時に、レビューにこんなマイナーな例えを挙げましたが(笑)、今となっては我ながら非常に的を射た例えだったんだな…と思います。