レビューサイトをレビューする②超名作〜名作(SS〜S)

このカテゴリーは、文句なしに「いい作品」と言える作品。
とはいえ、なぜ『ぶるまー2000』だけが「超名作」という独立した地位に残ったのか?筆者の『ぶるまー2000』レビューを見る限り、彼がこの作品が大好きであることは理解されるであろう。だが同時に、昨日挙げた殿堂入り作品群と比べると、やや作りに難が残るのもまた事実なのだ。いちおうは、ここは不特定多数のエロゲーマーが見ることを前提としたサイトであり、そういう面から殿堂入り作品との区別化となっているらしい。しかし、それでもなお通常の名作カテゴリーとは一線を画されていることからも、この作品に対する愛着はご理解いただけるだろうか。
筆者は『ぶるまー2000』の主人公にしてヒロイン・常葉愛を「最高のヒロイン」と公言してはばからないワケだが、その捉え方が興味深い。この筆者は「こういう風に生きたい」という言葉に代表されるように、彼女の価値を主体的に捉えている。つまり、異性として「見る存在」「向かい合う存在」としてではなく、同じ向きで見ようとしているように思うのだ。思えば常葉愛というヒロイン自体、男性とのセックスを全く行わないのである。レズゲーである『サフィズムの舷窓』を除けば、こんな作品は他にない。特にこの作品における常葉愛の位置は単一にして絶対の存在なのだから、これは異質である。だが、『ぶるまー2000』が語られる上で、このサイトに限らず他所でも、この点に不満が発生するどころか、その点に対する指摘すら行われていないことに注目したい。誰も、それに違和感を感じていないのだ。となると、ほぼ唯一の男性キャラである血走先輩にああいう形の感情移入をした筆者の見方は、ある意味、この作品に対する正当な読後感なのかもしれないのだ。もちろん・だからこそ、この『ぶるまー2000』は恋愛・萌え全盛の時代にあっては主流になりえないのだけれども。
筆者は自ら『パティシエなにゃんこ』の特異性を12/23の日記で書いている。これを読む限り萌えゲーとしてはこの上ない高評価でありながら、「名作(S)」を越える一歩先の段階に置いていない。おそらくそれは、この筆者のエロゲーマーとしての限界なのだ。だから、このサイトで恋愛・萌えゲーの評価を見る際は、若干割り引いて見なければならないだろう。
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この他の名作作品群は、その上位の作品にいくらかの近似性を持っているモノも多い。
『行殺』『an epic』のライアー作品はいいだろう。『パンドラの夢』は同じループものであるが、『腐り姫』とは異なる方法論を採用している。だが、共に「物語」を見せるという点は強烈に共通している。『CARNIVAL』の超主観的感想はまさに殿堂入り作品に共通する「現実的テーマ性」の極み。『Rumble』はかなりの程度で『ぶるまー2000』に近いことを指摘している。
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あと、この段階になってエロの要素が増えてきている。『いたいけな彼女』『アトラク=ナクア』に筆者は相当のエロスを感じており(笑)、それが作品本編として生きているからこそ、高く評価したようだ。
だがここで、『お願いお星さま』についてはちょっと意味が異なるかもしれない。結局、この筆者が恋愛・萌えゲーにハマれない理由は何か?それこそが、この作品で見えた「本当に異性として魅力的な存在ではヌけない」ということではなかろうか?だからこそ彼にとって、エロゲーとして考えた時に、恋愛・萌えゲーの評価はちょっと下がってしまう。だって、「エロは結果的に使えない」のだから。
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ではエロゲーにエロは全く不要か?
いや、違う(爆)。
筆者は意図的に抜きゲーを他と区別する傾向にあり、それはもちろん彼の趣味に起因する。詳しくは、第三弾「抜きゲー編」にて(笑)。