批判論・パート1

実は2/12の日記(http://d.hatena.ne.jp/judge/20050212)は、前半の半分以上をさくっと削除したモノなのです。その前半には、端的に言えば仕事上の愚痴が書かれていたので(笑)、ちょっとあんまりだなあと思って、後半部分だけを汎用化して残しました。実は最初に書いたことと全然内容が違います(爆)。
とはいえ、9791さん(http://blog.livedoor.jp/april_29/)にコメントをいただきましたので、その部分について、削除した12日前半分をちょっと柔らかくして(笑)書いてみようかと。
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仕事をしていると、「批判」自体には何の価値も無いことを思い知らされます。評価もされません。それはもちろん、「Noと言うことを許さない」という意味では決してありません。どれだけ文句を言っても、それがどれだけ的を得た正確な考察であっても、「その代替案を示し、そして実行しなければ決して意味が無い」という意味です。
日本で最も合理的で実利的であるのが企業活動です。その企業活動で「批判」に対する位置付けはこの程度です。つまり、合理性とか実利性にとって、「批判」ってのはその程度なんですよ。
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エロゲ板を訪れる2chねらーのかなりの割合は学生だと思います。なので、このことをわかってないのかな、と思う時があります。
これは無意識的に誰もがわかってることだと思いますが、2chのままに世間で発言したら決してその人間は評価されませんよ。「実」が無いからです。
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「批判」とは、「現状分析の第一段階でしかない」のです。しかも、現状分析ですから、ありとあらゆる点から評価を下し、そして代替案を考え、それとの比較を為した上でなければ、それが本当に批判されるべきモノなのかはわかりません。
例えば、私は『Fate』を五部構成にするべきだと書きました(笑)。とはいえ、私は五部構成のプロットを綿密に練り上げたとか、各シナリオ間のバランスとプレイヤーへの印象度合いを考察したとか、そうするための予算的容量的可能性だとか、その辺はもちろん行ってません。
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では、この私の批判は無意味なのか?というと、これまたちょっと違うような気もするのです。なぜなら、話は簡単で、私はエロゲを作らないからです。「実際にどうやったらより良いモノが出来るか」って問い掛け自体、意味が無いんです。
要は、アウトサイダーとインサイダーの間の越えられない壁ですね。
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私の本業もそうですが、実際にその世界に関わっている人間のやっていることは何よりも重いです。公務員にならなかった私がどれだけ政治のコトに口を出しても、それは実際に国のために働く人間の行動にはかなわないと思います。逆に働く方は、実際に関わっている者として、部外者の言う「批判」の「遥か上の次元」を行かなくてはならないと思います。これは何についてもそうでしょう。
エロゲ製作者は、2chやWebサイトなんて気にする必要は無いんですよ。もっとプライドを持って、「けっ、コイツらわかってねえ」って毒づいてください。だって、他の業界の人間は普通にそうやってるんですから(笑)。
もちろん感情的に引っ張られることはあるでしょうが、むしろ、一般ユーザーと同じレベルに居てはいけないと思うのです。もちろん、レスやレビューを読んで「参考」にするのは構いませんが、それをきっかけとして「その代替案を示し、そして実行しなければ決して意味が無い」んですよ。それができなきゃプロ失格です。これはどんな業界でも一緒なはずです。
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エロゲレビューのような「批判」ってのは、「誰かに対してよりよいモノを作って欲しいがための意見」とはちょっと違うと思います。むしろもっと内側に向いた、「自分にとってどんな作品が面白いかの考察」に過ぎないような気がするのです。
他でもない「私にとって」批判は意味があります。だって、作品のある部分の批判はその反対要素の肯定であって、そっちの方面を突き詰めて行けば、自然と名作にぶつかるんですよ。あるいは、逆に「名作」と直感した作品の分析をすることで作品自体に対する理解が深まり、より楽しめるんですよ。
「私がエロゲーを楽しむこと」は、他でもない私のためのコトです。前にも書きましたけどオナニーです。前にも言いましたけど、オナニー=自己満足でないコトって、世の中にはほとんど無いんです。そうじゃないって言えるのは、まさにエロゲーを実際に製作し、現実的な形にしている人だけだと思うのですよ。
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以上、12日の日記の下地はこんな感じでした。何せ無償労働の後でしたので(笑)、プレイヤー間のどうこうというよりは、「インサイダーとアウトサイダーの関係性」の方がメインだったような気がします。(書き直してやっと何が言いたかったかわかってきたわけですが)
私は上記のように、私の仕事に対する部外者からの批判をあまり気にしてません。なぜなら、「わかってないから」です、大半は。でも、たまに、「その通りだ」と思う批判もあるのです。それは私がどうにかしなければならない課題です。
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もしかしたら…9791さんが見たのとはちょっと違うのかもしれません。
プレイヤー間の関係については、別に思う部分があるのですが、それはまた気が向いたらにします。…あんまりいいコトを書けないような気がしますが。