ライアー2005・展望

『Forest』(ライアーソフト)についてのレビューを加筆・修正しました。要は、昨年末に2004年(トータル)のベストエロゲの栄誉を与えた時に感じた点を改めて追加しました。
http://www.geocities.jp/judge13th/o18/forest.html
無茶苦茶奥の深い作品ですんで、発売から一年近くが経とうとしている今でも書きたいことは次から次へと浮かぶんですが、同時に抽象的な要素も強い作品なんで、上手く言葉にできないという点も多いのです。
あと、元ネタという意味を越えて『Forest』という作品の解釈を行っているサイトが少ない(というかほとんど無い)ので、自分の書いていることが他人の受け止め方と同じなのかも今一つ確信が持てません。ま、こういう解釈をする人もいると思ってもらえれば結構です。
先にも書きましたけど、この作品の最も独特な点は、言わば「作品への接し方」にあると思います。「クソ真面目」な作品なんですよ、これ。製作者の方で、「結局はフィクション」という見方を許さないような雰囲気があります。そこがダメな人はダメなんだと思います。
でも、それでいいんじゃないですかね?天野ラインが『AngelBullet』を発売し、両ラインによるライアー作品の方向性の二極化がはっきりしたと思うのですよ。
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思えば、この『Forest』は発表時に「洋風腐り姫」なんて予想されていたモノです(笑)。ところが、何せ蓋を開ければ作り方が全然想像もしてなかった方向性でしたので、自然と直接的な比較は回避されました。
しかし、もうすぐ発売される『SEVEN-BRIDGE』、これは違います。体験版をプレイしてわかるように、『腐り姫』以上に純粋なノベルゲームになりそうです。となると…両者はガチンコに比べられることになりそうです。
SEVEN-BRIDGE』が『腐り姫』を越えられるかは、関心を持って見てます。『腐り姫』があの独特で意外な展開で作品を「演出的に魅せる」のに長けている作品であるのに対し、『SEVEN-BRIDGE』は、体験版を見る限り、演出的には本当に王道の作品になりそうです。となると、最も純粋な「中身」の部分で勝負することになります。つまり、(悪い言い方をすれば)小手先の勝負ではなく、最も核心の部分での勝負となるわけです。
おそらく、両者の順位付けは成されるでしょう。ではその時、『Forest』との順位付けがどうなるか?そこなんです。
実は、『腐り姫』と『Forest』って、絶対的な評価はほぼ同じレベルなんですよ。『腐り姫』を上に評するのは、まさに「時代性」、つまり二年前に出た作品であるという点です。もし発売順序が逆なら、絶対に『Forest』の方が上に来ます。
これはよくあることですが、似た要素を持つ作品をプレイすることで、その作品の評価は上がったり下がったりします。その作品に独自性を見ていた部分が、案外普遍的な要素だったことを悟ったり、あるいは後発の凡作が出来ていない点を先の作品がこなしていたことに気付くというのは、よくあることです。
つまり、『SEVEN-BRIDGE』の出来は『腐り姫』の地位を揺るがしかねないというコトです。逆に、『SEVEN-BRIDGE』がどんな形であれ『Forest』が大きな不利を受けることは無いでしょう。(むしろ、+はあり得ると思います。)
そういうわけで、『SEVEN-BRIDGE』のプレイ後は、ちょっと大きな動きになるかもしれません。