二次創作論3 なんか悔しいので書き直し・元はもっともっと在った

私が、過去に唯一と言ってもよい、探してまでSSを読んだ作品について。それは『サガフロンティア2』(スクウェア)。
物語は、「鋼の13世」ことギュスターヴ13世の登場から覇権を握るまで、そして彼の死後、盟友ケルヴィン、その息子のチャールズへとそれが引き継がれるも、偽ギュスターヴの台頭による危機、そしてデーヴィドによる統一を「表」としながら、同時に、一人のディガーであるウイリアム・ナイツ、そして息子のリチャード・孫娘のヴァージニアへと引き継がれる「エッグ」との戦いを「裏」として描く。
…こう書けば、凄い壮大な物語に見えるだろう。しかしこの作品は、「歴史上のある時点」をまるで本の一ページだけを切り取ったかのようにプレイできるに過ぎない。実際、プレイ時間はRPGにしては相当短いことを特記しておく。
この作品は、世間的には失敗作と認識されているであろう…。だが、今思えば、この作品はスクウェアの野心作だったのかもしれない。このコンシューマ最大大手が、「二次創作」を前提としていたとすれば。
この作品には「設定」はあるが「描写」が見事なまでに無い。13世とレスリーのような誰の目にも見えるような関係から、ウィルとコーディ(あるいはラベール)がいつの間にか結婚してたり、なぜサルゴンがエレノアと旅をしていたのかとか、全然肝心なところを描いてくれない。こういう恋愛ネタでなくても、それは同様である。
だからこそ、今作の二次創作は、濃い。
何せ「設定の補完」だから、物語本編から大きく道を外れた二次創作は比較的少ない。無理が無いまま、まさに「想像」を膨らませた作品が多い。
だけど、それを考えると、『サガフロ2』本編は、やっぱりダメダメな作品だと思うのだ(笑)。全然内容が足りないことの露呈に過ぎないとも言える。繰り返すが、スクウェアが二次創作による補完を前提としていたのなら、話は別なのだが。