『この青空に約束を−』(戯画)中間感想② 〜夢を見るってどういうこと?〜

海己シナリオ終了。
凛奈シナリオよりもずっと良く出来ているとは思ったが、惜しむらくは、『Forest』(Liar-soft)の前にこの作品をやりたかったなあ…と。以下、メモ。
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名作は、必ず、共通要素を持つ後発作品の評価を押し下げる。

航「夢に辿り着かない現実なんて認めない。
 現実の逃げ場でしかない夢なんかいらない」

この科白には激しく同感。
だからこそ、この作品にとっての敗北宣言を意味するのではないか。
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エロゲってのは、どこをどう頑張っても、「フィクションである」という事実からは逃れられない。だからこそ、エロゲ作中の中で語られる「現実」ってのは、実は「私達にとっての現実」では在り得ない。
全体を客観視すれば、この作品自体が、航の言った「夢」に過ぎないのではないか。
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この作品、主人公の視点と客観的事実を語る視点を一つに統一している。主人公が知らないことは、世界に存在しないこと。
だから…この作品に「考察」の余地なんて無い。読んだままが全て。それ以上が無い。それが、私にとっては、「フィクション感」を余計に際立たせる。だからこそ、「こちら側」…「私達にとっての現実」にまで、踏み込んできてくれないのだよ。読後感は、本当に軽い。
この作品は、『Forest』とは対極だ。それは、演出とかの意味じゃなくて、純粋なシナリオの話。
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以上、本レビューで整理するまでのメモ。もっとも、今後のシナリオでひっくり返るかもしれませんが。