第32回エロゲ評価裁定委員会議事録

  • 今日の議題は、S(名作)評価とA+(傑作)評価の線引きおよびS(名作)内の順序見直しとなっている。S(名作)とA+(傑作)の間の壁は高く設定すべきというのがこのサイトの見解であり、それにゆえにこの会議の議事をもって変更としたい。
  • 事務局としては、『ねがぽじ』『家飛 カットビ!』二作のS(名作)評価への格上げを提案したい。
  • 一つ確認したい。S(名作)とA+(傑作)の差は如何なる基準となっているのか。まず見解の統一化を図る必要があるのではないか。
  • この二作については、シナリオの偏向性を理由にS(名作)評価としなかった経緯がある。それをS(名作)に組み込むということは、シナリオの明確な出来不出来があった場合の名作判定を認めるということか。
  • 既得権益を理由とするのは不味だが、今年の名作判定作『鎖』と『群青』はどちらも何らかの欠落を備えている作品なのではないか。そう考えると、『ねがぽじ』『家飛』の二作も名作評価を与えて然るべき作品であると考える。
  • むしろ、『鎖』『群青』の名作判定は正しいのか。
  • 『鎖』については、本日またレビューに加筆したところだが、やはりシナリオの偏向性の明確な位置付けがなされていると判断。『群青』は確かに前半と後半のアンバランスは意図でなく天然くさいのだが、それでもあの勉強量にはそれなりに敬意を払いたい。
  • 『家飛』のシナリオのアンバランスさは確信犯だと読む。それゆえにここでの名作判定に異は無い。だが、『ねがぽじ』はどうか。香澄・小鈴のシナリオに意味や意義は存在しているのか、そこを問うべきではないか。
  • 行き過ぎた減点法で評価を行うのは妥当ではない。『ねがぽじ』の基礎的なテキスト力は最高級であり、それをA+(傑作)評価に据え置くのは妥当とは言いかねる。
  • 名作に必要なのは技術やバランスよりも主観的な思い入れで良いのではないか。
  • それで対外的な説明が可能かが疑問。
  • それは永遠の課題であり、傑作評価のままでも同じことは言える。
  • 主観的な思い入れという話をすると、『群青』の方が不味ではないか。
  • それがあってなおの名作評価というのもあってよいのでは。
  • それでは決を採りたい。『ねがぽじ』の名作判定に賛成の者は?(見渡して)賛成多数。続いて、『家飛』の名作判定に賛成の者は?(見渡して)同様に賛成多数。よってこの二作を名作評価に上方修正する。
  • 続いて、他の名作判定作に降格の提案はあるか?(見渡す)
  • 現段階では現状維持でよいのではないか。
  • 了解。新規に降格の提案がある場合は次回以降にご提案願いたい。
  • 続いて、S(名作)評価内での順序付けに移る。最初から全体的に相対化するのは難しいと思われるので、個別間の相対評価をいただきたい。
  • まずはトップを判断すべきではないか。『おね星』は良い作品だが、ドラマCDが足を引っ張った感はある。
  • 個人的には『CARNIVAL』を推したい。
  • 『CARNIVAL』は殿堂入り作品とやや開きがあるのではないか。
  • 『B2K』以上との差はどの作品に対しても大きい。『CARNIVAL』の評価は当初は主観的な部分が大きかったが、『SWAN SONG』の登場により構成上の客観的な言い振りが可能になったのではないか。
  • 『行殺』が『an epic』より上なのはおかしい。
  • 『パンドラ』『アトラク』『いたかの』がやや後半グループか。
  • 『Rumble』は『B2K』との勝負付けが済んでいる。これも後半グループでは。
  • 先の議論を踏まえて、『群青』もちょっと割り引きたい。
  • 『天使』の評価は『らくえん』の影響があったが、今は解消されたような気がする。これは上位グループでよいのでは。
  • 『終末』はアワード受賞作品であることを抜きにしても上位。トップにはなれないが。
  • 『鎖』はややプラスしたいと考えている。
  • 『ぱてぃにゃん』はこの中でも比較の難しい稀有なジャンル。中間に位置するのが無難か。
  • 議長集約の結果、別紙(フレーム参照)の通りとしたいが、如何か。
  • 『鎖』は高すぎないか。
  • 今後見込まれるアワードの評価も含めて再度見直しを行いたい。特に『ToHeart2』の動向がつかめない今は不安定な状態にある。
  • 新規名作評価二作が高すぎないか。
  • 議長案に賛成。新規名作二作は、S(名作)なんだと割り切ってしまえば、このくらいの評価を与えて良いのではないか。
  • それでは採決を取る。(見渡して)賛成多数につき本案は可決。
  • 今後のスケジュールを確認したい。
  • パブコメにはかけず、即施行する。
  • CANNONBALL』がA+(傑作)評価のトップとなったわけだが、かの作品がその地位に付くことには異論があったのでは。
  • 今回の異動でS(名作)とA+(傑作)の間の壁が一層高くなったことは事実。
  • A+(傑作)以下の評価については従来どおり小委員会に審議を付託する。次回開催は未定。その都度おって連絡する。今回の決議でS(名作)評価作が一定の独立した地位を得たのではないかと思う。以上で委員会を終了する。