6時に起きました

今、11:30。
そんなわけで、今、『CARNIVAL』の再プレイを終えたところです。いやあ…なんて言うか…自分で言うのもナンだけども…私が「名作」って呼ぶ作品はホントに凄いなあ…。
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『CARNIVAL』の何が素晴らしいか。
全体構成の巧みさ。フルコンプへ4時間強のシナリオの中には(正しい選択肢を選びつ続ける限りは)無駄が全然ない。随所に散りばめられた伏線の意味と、それを二重・三重に塗り重ねてゆく「重み」。
第二部のBGMの大半は「夜の情景」なのだが、この曲が素晴らしくイイ。第三部のBGMのメインは「二人の景色」「思い出の情景」と「告白」なのだが、この曲がまた素晴らしくイイ。このゲームにはユーザーハガキを返送すると貰える「お返しCD」があってそこにサントラが付属されているのだが、その「終わらない祭り」が今作中とパターンが違うモノを用意してあることに今更気付いた。
バランス感覚。イズミの描写は重過ぎず軽過ぎずちょうどイイ。他のサブヒロインとは明らかに一線を画し、同時に彼女の持つ「健全さ」ゆえに、マナブやリサとは並べない。しかし、彼女の存在自体が、ある意味で今作の「救い」となっていることは否定できない。
この作品は、最後まで「善悪」を付けないのだ。例えばイズミがキリスト教を批判すると、必ずそこには再反論が入る。その分「何が正しいのか?」という点を突き付けてくる。
ラストシーンの演出は見事。彼らの見ているモノと、向かう先を見事に演出している。そして、エンディングテーマ「記憶」と、エンディングムービー。この作品を締めるに相応しい。
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プレイ直後にここまで思わせてしまうということは、やはり、『SWAN SONG』に足りない点なのか?
構成に無駄は在る。妙子とのHシーンや「妹」の設定は全くと言っていいくらい無意味だ。
明確なバッドエンドとハッピーエンドに二分される点。善悪を「描けなかった」というコトが何よりの苦悩を意味する『CARNIVAL』のテーマ性に比べると、ちょっと単純すぎる。
この作品をプレイしていれば、特に柚香に象徴される登場人物の内面の苦悩が「在る」ことは想像できるのだが、「物語」としての展開が在るが故に、それを明示していない。
同様に、このライターの宗教観も『CARNIVAL』に比べると全然触れられていない。とはいえこの辺は「前提」か?
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これはもう、昨日から三回くらい書いているような気がするが、『CARNIVAL』を手にとってみてください。『SWAN SONG』という作品の「背景」にあるモノが見えてくるはず。