断念の記録

私はこれまで、プレイしたほとんどのエロゲにレビューを書いているが、まったく何も書いていない(書けなかった)作品が二つある。
一つが、『Love Letter』(美遊)。
「グロ表現がスゴい」との前評判を聞いて手に取った作品。実はこの作品、確かにそれは存在するけど、それは全然メインじゃなかった。鬼畜系は意外と(?)数をこなしている私には、それほど衝撃的ではなかった。むしろ本質的な部分はありふれた類のモノであり、語るべきものは特に見当たらず今日に至る。
もう一つが、『秋桜の空に』(Marron)。
実はコレ、私にとって初めての「コンプできなかったエロゲー」。
はるぴーと初子はクリアしたが、そもそもメインであるはずのカナ坊やすずねえへと進む前に挫折した。想像の一歩先へと暴走してゆく笑いのセンスには光るモノはあるとは思うが、結局、後半の取って付けたようなシリアス展開がそれを全て否定してしまう。全ヒロインがこの流れと聞いて…「もういいかな」と。地雷とまではいかないが…凡作。もっと激しい地雷であれば筆は進むのだが(笑)、そこそこ褒められ、そこそこつまらない凡作というのは最もレビューとして「形にならない」。
このラインナップを見てもらえればわかるように、私は何らかの意味で突出した個性的な作品を好む傾向があり、そういう意味では、この二作のような、「その作品の特異点を作中で薄めてしまった」ような感のある作品はあまり評価できなくなってしまう。