許されるフィクション許されないフィクションの話

もちろんこれには、誰にも個別に線引きの基準があると思いますが、私の場合の話を。

私は、「上手いフィクション」ってのは、「現実」を描くことのできるフィクションだと思っています。これは、矛盾ではないつもりです(笑)。



0.1%の確率もしくはそれ以下でしか起こり得ないこと。例えば「家が飛ぶ」とか(笑)。こんなの、現実にフツーに生きてたら、まず起こりません。でも、私はそれだけで排斥するつもりは微塵も無いのですよ。

それが肯定されるのは、「if」として使う場合。「もしこういうことが起こったら、どうなるか」という、「設定」の問題。それは、あまりに現実性に徹し過ぎると描けないし、それでは物語の幅が全然無くなってしまいます。

じゃあ、肯定できないフィクションとは何か。それは、登場人物の心情に関わる部分です。
とある登場人物が「こういう状況下で、こう考える」というところには、フィクションが在っては駄目だと思うのですよ。それは「設定」の「if」じゃなく、登場人物描写自体の矛盾です。
その登場人物の「個性」の部分の「if」は、まだ許せます。それが、あまりに現実とかけ離れたモノでは魅力を感じないですけどね。